私、7月に前立腺肥大なる病を発症し、名古屋市西区栄生に在る名鉄病院にお世話になることになりました。

7月11日から通院することになったのだが、自力でオシッコができないためにカテーテルなるものをその日から装着することとなった。
管を尿道を通して膀胱に達するまで挿入する。
管を通してバルーンと呼ばれる袋にオシッコが溜るのである。
尿意を感じた瞬間、オシッコはすでに管を流れており自動的に袋に溜る。
とても便利なものであり慣れれば日常生活にはそれほど支障ない。
結果、私はその日からおよそ2か月半に渡りカテーテルを装着することとなる。
だが装着をする瞬間はとても痛い。
ちなみに男性と女性では尿道の長さが違うため管の長さは随分違う。
男性は18cm~22cm、女性は4cm~6cmだそうだ。
どんな手術でも術後、翌朝の6時までベットから起き上がることが許されないため通常、カテーテルが装着される。
たとえば手術が終わるのが午後4時だとすると、14時間動くことができない。
寝返りはOKだ。
便はベツトの上で排泄することになる。
オムツにするか、もしくは便器をあてがってすることになる。

MRI検査の結果、私の前立腺は普通の人の4倍以上に膨れ上がっているという、そして白い陰影があるとのこと。
その陰影が癌の可能性があるため、その細胞を取り出す手術が必要ということになった。
細胞をいくつか取り出し顕微鏡で癌かどうかチェックをするということだ。
私は8月18日から20日までの3日間、入院することとなった。
私はこれまでの人生で入院したことは一度もなく、今回は初めて体験することばかりだった。
結果を先に言うと癌ではなかった。

病室に入るとしばらくして担当の看護師さんがみえた。
私を担当してくださるのはAさん。
名鉄看護専門学校を卒業し、名鉄病院に就職して1年目という若い看護師さんだった。
まず最初に口頭で身体に関するチェックを受ける。
かつて大きな病気をしたことがあるか?アレルギーはあるか?普段サプリメントなどを飲んでいるか?など。
口の中のチェックも受けた。
看護師さんは、入院中入れ替わり立ち代わりとなるのだが、私はAさんと一緒になることが一番多かった。
Aさんに対して私は恥ずかしいなどとは一度も感じなかったし、とてもリラックスできた。

名鉄病院は入院中のスケジュール、手術に関する注意事項などは、すべて書面になっています。
従って患者は看護師に対して、ほとんど質問をしなくてもよい体制となっています。
名鉄病院というところは本当にきちんとしている、そんな印象を受けました。
私は、9月にも前立腺切除の手術で入院をし、トータルで19日間の入院を体験しました。
私は入院中に延べ20人近くの看護師さんにお世話になるのですが、親しくお話をすることができたAさん、Bさん(名鉄病院就職3年目)Cさん(同10年目)のお三方の話を中心に看護師の仕事についてみなさんにご紹介します。
お三方は、みなさん名鉄看護専門学校の卒業生。
AさんとBさんは高校の同窓生とのことだった。
Aさんにとって高校の先輩でもあるBさんの存在はきっと心強いものだろう。

まずは名鉄病院についてだが、名鉄電車栄生駅に在る。(名古屋駅の次)
駅と病院の入り口はつながっていてとても便利だ。
病棟は新しくてとても綺麗だ。
職員のみなさんにとって、快適な環境と言えよう。
名鉄看護専門学校は、名鉄病院の敷地内にある。
私は、看護師さんになる人たちはきっと頭のいい人たちだろうと思っていた。
名鉄看護専門学校は偏差値53だ!かなり難しい。
余談だが、私は立命館大学経営学部の卒業だ。
当時、偏差値は52.5だった。
Bさんは高校時代、看護学部進学コースに属していたそうで、適格な指導のもと無事合格できたのこと。
入試科目は国語、数学、英語の3科目。
過去の入試問題は公開されている。
在学3年次に国家試験を受けるわけだが、名鉄看護専門学校は毎年合格率ほぼ100%のようだ。
看護師を目指す方に名鉄看護専門学校から名鉄病院への就職はお勧めです!

看護師の仕事は多岐に渡っており簡単なものではありません。
10年目のCさん曰く、担当の科が替わると仕事は一から覚え直さないといけないとのこと。
基本的に看護師は医師の指示によって動くものであり、自身の判断で手を下すことはできない。
Cさんによると一刻も早く処置をしなければならない状況なのに手を下せなくて、もどかしさを感じることもあったりするそうだ。

それでは、泌尿器科の入院患者を担当する看護師さんの仕事を簡単に紹介します。
朝6時に病室の電気をつけにくる。(消灯は午後9時)「おはようございます」
しばらくすると体温、血圧の測定。データはその都度パソコンに入力。
日によっては採血もあった。そして点滴のチェック交換。
点滴に関しては担当の看護師さんと一度行き違いがあった。
注射針を血管に刺す際、「痛かったら言ってくださいね」と言われた。
刺す瞬間チクッとして、その痛みはその後も続いた。
私は、このぐらいの痛みなら問題ないだろうと勝手に判断をした。
1時間後くらいだった、気が付いたら腕が随分膨れ上がっていた。
水分が血管以外のところへ流れてしまったということだ。
すぐにナースコールをして、点滴をやり直してもらった。
針を刺す瞬間はチクッとするが、それ以降は全く痛くないというのが正解なのだ。
話を元に戻そう。
私の場合、オシッコの出た量、排便状況を記入する表(自分で記入する)をわたされており、そのチェック。
午前8時になると朝食の準備、配膳。
1時間後くらいに回収。
私の場合、手術の後、ずっと吐き気がして病院食の匂いをかいただけで気持ち悪くなっていた。
主治医の先生からは何を食べてもよいと言われていたので、入院中はコンビニの弁当ばかりを食べていた。
弁当の内容は事細かく看護師さんに申告をしていた。
これらも、もちろんパソコンに入力されていた。
私は当時、午前9時半から10時半まで韓流ドラマの「ファラン」を毎日見ていたので、その時間帯は看護師さんに何もしないようにとお願いをしていた。
みなさん私のわがままを聞いてくださった。
10時半から、オムツ交換、陰部洗浄、身体ふき、パジャマ交換など。
私の場合、手術後、出血が止まらなかったのでオムツはずっと付けていた。
今時のオムツはサイドストッパーが付いていてそれをはずせば簡単に着脱できるようになっている、とても便利なものだ。
12時には昼食の準備、配膳。
午前中は、あわただしいが、午後からは2時間おきに病室の見回りとなる。
点滴のチェックが主だ。
夕方には再び、体温、血圧の測定。
午後6時には夕食の準備・配膳。
カテーテルの処理は昼間と夜中の2回だった。
手術を終えたばかりの患者に対しては、見回りの回数は多くなる。
私の場合30分おきに見に来てもらったことがあった。
午後12時から翌朝の6時までは2時間おきの見回りとなる。
医療現場に不測の事態はつきものだ。
看護師には冷静沈着な行動が求められる。

私は9月9日に前立腺切除の手術を受けました。
術後しばらくの間は調子が良かったのに急変することとなった。
午後8時くらいだったろうか膀胱が破裂しそうな感じになった。
ナースコールをしたらCさんが来てくれた。
Cさんの見立ては血の固まりがオシッコの通り道をふさいでいるとのこと。
切除手術をしたため、かなりの出血があったためだ。
後で聞いた話だが、看護師としてできるギリギリの処置をCさんはしてくれた。
具体的にどのような作業をしているのか私自身は見ることができないのだが、カテーテルの装着を何度も何度もくり返している、そんな感覚だった。
とにかくものすごく痛かった。
1時間くらい経過した後だろうか、Bさんが加わってくれた。
Cさんは「私が手を握っていてあげるから我慢するんだよ。」と声をかけてくれた。
私はずっとCさんの手を握っていた。
そしてしばらくすると女性の泌尿器科の先生が来てくださり処置をしてくださった。
トータル4時間の処置だった。
私はCさんの献身的な振舞いに感激しました。
Cさんは私にとって「命の恩人」そんな想いだ。
後日Aさんと一緒になった際、私は「病院というところはチップを渡すという習慣はあるのですか?」と聞いた。
Aさんの答えは「わからない」だった。
退院後、少しばかりだが特にお世話になったAさんBさんCさんにはお礼をさせてもらった。

入院中は、お三方以外の看護師さんに質問をしたりすることもあった。
「あなたにとって一番難しい仕事はなんですか?」と尋ねたところ「注射です。」という答えが返ってきた。
注射をする時、血管が見えないと困ってしまうと言う。
特に太っている人は血管が見えないことが多いとのこと。
質問に答えてくれた看護師さん、特に太ってはいないのだが、血管は全く見えない。
若い女性の腕は血管が見えないケースが多いみたいです。

私、入院する前YouTubeで看護師さんが制作する動画をいくつか見たのですが、52%の看護師さんがセクハラ被害を受けているとのこと。
入院に際して、私自身はセクハラは絶対にしない、そんな想いでした。
Aさんはないとのことでしたが、BさんCさんはセクハラされたことがあるとのこと。
これは私見だが、病院側は女性看護師さんがセクハラ被害に遭わないようきちんと手を打ってほしい。
前述のごとく名鉄病院は入院患者に対して書面で大切なことは通告している。
たとえば男性入院患者に対しては書面で「女性看護師に対してセクハラ行為をされた場合、翌日より男性看護師に交代となりますので、ご了承ください。」としたらどうだろう。
これによりセクハラ行為はある程度防げるだろう。
私が入院をした棟には男性看護師が一人みえた。
女性の患者さんは男性看護師に裸を見られたり、下のお世話をしてもらうなどということは絶対にいやだろう。
一方、男性患者の場合はどうだろう。
私の場合は、男性看護師にお世話をしてもらうというのは想像するだけで寒気がする。
だが男性患者の何パーセントかは男性看護師も受け入れるという人がいるだろう。
今後、認知症の患者はますます増え、暴れたりする人も出てくるので男性看護師の手が必要なケースも多く出てくるだろう。
少しづつでも男性看護師が社会に認知されるようになればと思う。

話は替わる。名鉄病院のことをもう少し話そう。
ネットで「名古屋市内病院、365日24時間営業」で検索をすると「日赤第一病院・日赤第二病院、名鉄病院」が出てくる。
看護師さんの勤務は一か月間で20日もしくは21日。休みは10日だそうだ。
シフト制で日勤と夜勤をすることになる。
夜勤は一日15~16時間になるようだが夜勤手当はもちろん出る。
夜勤は月に4回くらいだそうだ。
夜勤があったりすると体調が狂ったりしないか心配だが、Cさんは、慣れるし特に問題はないと言う。
Bさんは体のサイクルが夜型になってしまい日勤を終えて家に帰っても夜、なかなか寝付けないと言う。
だが仕事は支障なくやれているので特に問題はないとのこと。

私は8月に3日間、9月に16日間の入院をした。
退院をする時はとてもうれしかったのだが、同時にとても寂しい気持ちになった。
看護師さんたちと別れるのがつらかった。
名鉄病院の看護師さんは、ほとんどが20代だ。
若い女性は、私のような高齢者に元気を与えてくれる。
本当にとても心地の良い入院生活だった。

最後に。
今の日本、看護師不足ということが、よく言われる。
この文章を読んでいただき、看護師という職業に興味を持ち、目指していただければ幸いだ。